譜読みの宿題が嫌じゃなくなる!レッスン方法
- ここよーこ
- 2022年9月19日
- 読了時間: 4分
更新日:2023年10月3日
以前はよくおうちの方からこんな相談を受けました。
―宿題しようとしたら弾き方がわからない。わからないからイライラしてくる、怒りだす、家族にあたってくる、最後は泣いてしまう…どうしたらいいですか?―
これではおうちの方もお疲れになって、ピアノの練習したら?の声かけがしんどくなるよな…と私も悩んできました。
たしかに習い事では、できるようになるまでの過程はきびしいものかもしれません。でも、音楽を楽しんでほしい。ピアノというステキな楽器がイライラや親子ゲンカの原因になんかなってほしくない。子どもちゃんがひとりで気分よく宿題してくれたら...
そこで考えたのが、宿題に出すもう1週前のレッスンでちょこっと先取りをしておくという方法。
やる事は、新しい曲を自分で階名を言いながら片手ずつ弾いてもらったり、宿題が片手ずつなら両手で弾いてもらったりすることです。新しい譜読みをするので疲れますが、その時すかさず「ハイっ、家でやってこなくていいよ~」と言うと、生徒は「え??やってこなくていいの?」と意表を突かれてビックリします。
そして、やったところに先取りしたことがわかるようにチェックとして鳥のマークを書き込んでおきます。その鳥の名前は、先取りをもじって「さきどり」と呼んでいます。
この「さきどり」はたくさんのメリットを運んできてくれました。
ここからはそのメリットを5つに分けて説明していきます。

メリットその1 子どもの気持ちを軽く
今までレッスンで新しい部分を弾くと「じゃあここ、おうちでやってきてね」と宿題にしていました。その習慣で、子どもたちは弾きながら「あー、これ宿題やな」と思っていたのに「やってこなくていいよ~」と言われたら、拍子抜けしてほっとします。
「やってきてもらうのはここやから」と言って、その時先取りしたところではなく、1週間前に先取りしていた、すでに前から知っているところを指示します。その時生徒は「これならできそう」と思って気持ちが軽くなります。
メリットその2 身に覚えのない成果
先取りしてから何もしないでおいていたとしても、無意識のうちに1週間のあいだ予習内容は頭の中で整理され、記憶の熟成が行われています。そして実際レッスンで「ここはこないだ先取りしたとこやけど、ちょっと弾いてみて」と言うと、最初「どんなんやったかな?」という感じですが、弾きだすとわりと覚えていて、そのことに生徒自身も気が付き、安心します。その週はその箇所を宿題にされるのですから、もう自信ありです!
メリットその3 宿題以上に挑戦
「やってこなくていいよ」と言うと「やってきてもいいの?」と返事が返ってくることもよくあります。実際「ちょっとやってみたら出来たから、さきどりも練習してきた!」とうれしいことを言ってくれる場合もあります。
このように、宿題は簡単と思わせるように。でも、それ以上やろうかな?と思ったとしても、先取りしているのでちょっと頑張ってきてもいいというように、おうちでのピアノの練習は自由に自分で選択できるようになります。
そのうえで、もし指示された以上のことをやるという能動的な″やる気習慣″がピアノで身につけば、ピアノ以外のことも同じように取り組むようになってくれるかもしれません。
メリットその4 安心をもたらす鳥
さきどりマークがついていると「やってこなくていい」と「前にやったことがある」という2つの安心が持てます。だから子どもたちは、さきどりのマークが好きです。というか、ほっとしています。
メリットその3 先生が余裕を持って指導できます
さきどりを飛ばすようになって、何を隠そう私自身気持ちがとても楽になりました。
新しいところを一緒に譜読みして、明らかに難しそう…と思っている子に「がんばってきてな」というのではなく、「やってこなくていいよ」と言えるのです。
実際の宿題は前から知っているところ。これならできるわ、と前向きな気持ちで宿題を受け取ってもらえるので、安心して帰すことができるようになりました。
「やってこなくていい」の言葉は子どものストレスを減らしました。
それなのに、かえってやる気を自分から出してくれる傾向に変わってきました。
もともと子どもは、理由なく伸びようとする素晴らしい性質を持っているのだから、それを押さえなければいいんですよね。そのためのちょっとした工夫が先取りでした。
あとは子どもの成長を信じて…。

Comments